上野ファーム NAYA cafe／生らむジンギスカンのお店 らむ舎／Chirai-チライ-Restaurant Cafe

旭川周辺には肥沃な農地が広がり、米や野菜、果物など多くの農産物が収穫されています。これらの地元産食材を使ったレストランや北海道らしいジンギスカン、ラーメン店など、旭川市内には魅力的な飲食店が多数あります。今回は旭川市内でゲストハウスを構える松本浩司さんに、おすすめの飲食店をお聞きしました。

旭川駅から列車で約15分の永山駅。さらに歩いて約15分、線路沿いの住宅街にある3棟のタイニーハウスが〈旭川公園ゲストハウス〉の宿泊棟です。3棟それぞれにコンセプトがあり、少しずつ仕様も異なります。オーナーの松本さんが伝えたいのは、“旭川のいつもの日常”。「旭川の人たちの日常のクオリティーってとても高いですし、その日常が旅行者にとっては特別だなと。そんな旭川の日常に気づいてもらえるような場所をつくろうと思いました」。共用スペースに旭川家具のイスを置いたり、食事を出す器は地元の作家のものを使ったり。朝食やカフェメニューにはご近所の農家さんの野菜や、地元で作られた加工品を取り入れています。さりげなく旭川の魅力を旅行者に伝えてくれる、心豊かになる宿です。

旭川　松本さんのおすすめの飲食店①

〈NAYAcafe〉は上野ファームの敷地内にあるカフェ。築65年以上の古い納屋を改造し、2020年にリニューアルオープンしました。旭川市と近隣町村の食材を使用したサンドイッチや素揚げしたポテトなどのフードメニューから、ソフトクリーム、ドリンクまで味わうことができます。カフェのみの利用の場合、ガーデンの入園料はかかりません。

メニューはすべてテイクアウトOK。ガーデン内は有料ですが、ソファやイスが設置されているので、好きな場所でのんびり食事ができます。スタッフの上野江里奈さんのおすすめの場所は、メルヘンチックな雰囲気が漂う「ノームの庭」。夏はバラに合わせてさまざまな宿根草が咲き、ガーデンが賑やかになるそう。日々の喧騒を忘れられるこの空間で、ぜひのんびりとしたひと時を過ごしてみてください。

旭川　松本さんのおすすめの飲食店②

2005年に開業した〈らむ舎〉の名物は「生らむジンギスカン」。「生らむ」とは、流通の中で一度も冷凍されていないラム肉のこと。らむ舎ではオーストラリア産の上質な肩ロースをチルドで仕入れ、焼いた後にタレを付けて食べる「後付け」スタイルで提供しています。「肉本来の風味とやわらかさを味わってほしいから」と話すのは店主の横山靖三さん。すりおろしリンゴをふんだんに使って手間暇かけて仕込む自家製ダレはフレッシュなラム肉と相性抜群、口の中で風味が広がります。特製塩に漬け込んだ「らむ塩ジンギスカン」も人気メニューのひとつ。尖りのないまろやかな塩味が肉の旨みに加わって格別の味わいです。
広々とした店内には、カウンター席とテーブル席にキッズルームも完備。おひとりでもご家族でも気軽に訪れることができる、まちの焼肉店。ラム肉は発送も可能なのでお土産にもおすすめです。

旭川　松本さんのおすすめの飲食店③

旭川市街から車で30分ほど、のんびりとした田舎道を進んだ先にレストラン＆カフェ〈Chirai（チライ）〉はあります。店主の嵯城要介さんは市内のホテルやビストロで勤務したのち、2019年に江丹別で開業しました。使用する食材は町内産の野菜や近所の牧場の肉をはじめ、ほぼすべてが道内産。取材した日のランチコースのメイン「伊勢ファーム産乳のみ豚の塩漬け」は、さっぱりとした脂と歯ごたえのある赤身がたまらない一品。旬の地場食材をふんだんに味わうコースやランチプレートはその日のお楽しみです。釣りが趣味の嵯城さん、ときには自ら釣った魚を調理することもあるそう。

店内のあちこちに白樺の木があしらわれており、長さ5.5メートルものカウンターテーブルは江丹別の山で1本の木から伐り出されたこだわりのもの。北海道らしさとぬくもりあふれる空間で、土地の豊かさをいただきます。