ばん馬の白い息、
力強さを目の前で感じる。

帯広競馬場(ばんえい十勝)

  • 帯広市

ばん馬の大きな身体、太い足腰。彼らの力強さを身近に感じられる帯広競馬場。競馬に興味がなくても、一度は訪れてみてほしい場所です。純粋にレースを楽しむ以外にも、間近で馬たちの姿を撮影したり、十勝の特産品を集めた直売所やレストランも。開拓期、人間の同志として共に働いてきた農耕馬であるばん馬のかつての姿にも思いを馳せながら、観戦などしたいものです。

世界でただひとつの競技。十勝が誇る北海道遺産。

馬が鉄ソリを曳いて競うばんえい競馬。高さのある坂を、重いソリと越えるのは簡単ではありません。サラブレッドの競馬と比べると、進む速度はゆっくり。坂の途中で休憩を挟みながら、コースを走り抜けます。

レース発走前になると、スタンド前のパドックに出走する馬が現れます。ばん馬を見極めるポイントはさまざま。例えば、頭をグンと上げて目を輝かせて歩く馬は好調だと言われます。腰、尻、股、関節、筋腱の充実した馬、毛ヅヤの良い馬も好調と見て良いでしょう。大きな踏み込みで歩く馬もよく走るようです。

ばんえい競馬の魅力はレースをするばん馬を間近で見られること、レースコースの横で馬と一緒に走りレースを楽しめることです。第1障害を越えると、大きな山場となる第2障害へ。騎手があえて馬を止めてスタミナを温存するなど、騎手同士の駆け引きもポイント。第2障害を力強く登るばん馬の雄姿に、手に汗握ります。障害を真っ先に抜けたとしても油断は禁物。最後の最後まで逆転の可能性があるのが、ばんえい競馬の面白さ。まさに「一発逆転のライブショー」と言われる所以です。

また、競馬場内には農耕馬の歴史や生活道具を収蔵した馬の資料館や、十勝の特産品を集めた直売所、豚丼をはじめとするローカルグルメが味わえるレストランも。観戦だけではないさまざまな楽しみがあります。

多くの人や馬が暮らす場所でもある。

普段目にできるのはレースが行われる敷地の周辺部分だけ。その奥には、たくさんの馬と共に暮らす騎手、調教師、厩務員、そしてその家族のための厩舎や住宅などの建物が建ち並びます。朝は早く、日が昇る前に一頭ずつ毛繕いを済ませ、わらび型やガラなどの馬具を装着すると練習場へ。鉄製のそりを付けて練習に打ち込むそう。季節を問わず、レースを見据えての練習が行われています。そして週末になるとレースに挑む騎手と馬たち。ここには今も馬と人間によって営まれている暮らしがあることを知っておくと、レースの見え方が変わるかもしれません。

帯広競馬場(ばんえい十勝)

住所
帯広市西13条南9丁目
電話番号
0155-34-0825(広報)
公式サイト

執筆スタッフ

猿渡亜美

帯広市の隣、芽室町出身。日高山脈・剣山のふもとで育ちました。学生時代は歴史学を専攻。特に明治、大正、昭和の時代を好み、古い建物や道具、当時の暮らしなどに関心があります。

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