スロウなカフェを訪ねて。

FABLIKET/シプル/えほんカフェひっぽ/THE LAMPS

  • 函館市

魅力的なカフェが点在する函館の街。訪れる度にお気に入りの場所が増えて、今日はどこのカフェに行こうかと迷ってしまうほどです。こちらの記事では、気軽にコーヒーブレイクを楽しみたいとき、しっかりと食事をしたいとき、さまざまなシーンに寄り添ってくれるスロウなカフェ4選をご紹介します。建物にこだわりのあるお店も多いので、ぜひ注目してみてくださいね。

心弾む黄色に包まれて、お気に入りに出合う場所。

建物の内側から外側までをぐるっと包む明るい黄色は、澤村朋子さんの大好きな色。2022年8月にオープンした〈ファブリケット〉は、「自家焙煎コーヒーと生活道具の店」。コーヒーを焙煎するのは朋子さん、雑貨部門を担当するのは夫の貴志さん。店内はコーヒースタンドと小さな雑貨屋が併設した造りになっていて、奥のカフェスペースではゆったりとお茶することもできます。

朋子さんがハンドドリップで淹れるコーヒーと一緒に楽しみたいのが、手づくりのドーナツ。旅の途中のおやつにも、ちょっとした手土産にもぴったりです。 店名は、「favorite(お気に入り)」と「like(好き)」を掛け合わせたもの。「コーヒー屋でも、雑貨屋でも、好きなように捉えてもらえたら。何かひとつでも、来てくれる人にとってのお気に入りが見つかる場所でありたいです」。コーヒーや雑貨を片手に朋子さんと話す人たちの表情には、にこやかな笑顔が浮かんでいました。

FABLIKET

住所函館市東川町11-1
電話番号ナシ
営業時間10:30~16:00
定休日月・火曜
Instagram@fabliket_coffee_lifetool

西部地区の古民家で、身体に馴染む食事を。

赤い屋根と、伝統的な造りの門構え。中に入ると立派な梁が残されていて、深みのある木材の色に時の流れを感じます。ここは、山田麻由さんが家族と共に暮らしながら、店を営む場所。空き家になっていた物件を地域の建築家のサポートのもと自分たちの手で改装し、2018年に〈シプル〉を始めました。

ここで味わえるのは、和食を中心とした「週替わりごはん(写真は一例)」です。「ちゃんとしたごはんを食べられる場所にしたかった」と言う麻由さんが考えるメニューは、品数も多く彩り豊か。どれもほっとする味わいで、野菜がたっぷり摂れるのもうれしいところです。どうしても栄養が偏りがちな旅先でこんなお店とごはんに出合えたなら、心も身体もほっとするでしょう。

シプル

住所函館市船見町7-24
電話番号0138-76-8930
営業時間11:30〜15:00
定休日水曜、第1・3木曜
Instagram@siple_hakodate

元小学校教員が開いた、絵本をテーマにしたカフェへ。

函館市の住宅街にある、〈えほんカフェひっぽ〉のオープンは2017年。店主の中川裕司さんの前職は小学校教諭。北海道内の小学校で30年以上働いた後、喫茶店を開くという長年の夢を叶えました。

店の大きなテーマは絵本。本好きなら、メニューを開くよりも前にまず本棚に目が釘付けになってしまうでしょう。絵本だけでなく、小説やビジネス書、暮らしをテーマにした雑誌など、子どもから大人まで楽しめるラインアップが揃います。カフェメニューには、パスタを中心とした食事メニューのほか、引きたてのコーヒーや自家製スイーツなどが提供されます。
料理だけでなく、店内のあらゆる木工品まで店主の手づくり。人柄、雰囲気、料理。懐かしい安心感に包まれる時間が流れています。

えほんカフェひっぽ

住所函館市神山3丁目64-2
電話番号0138-87-2691
営業時間11:00~18:00
定休日火・水曜
URLhttps://hakodate-ehoncafe-hippo.com/

築100年の古民家を今の時代に合わせ、再構築。

煙突のついた立派な平屋建て家屋で、南側に小庭のあるこの建物は、元々〈茶房 桜の下〉という喫茶店でした。2016 年に〈THE LAMPS〉として引き継ぎ、「茶房時代の雰囲気を活かすこと」をリノベーションのテーマに掲げ、カウンターや壁の飾り棚などはそのままの風貌を活かしながら、照明やインテリアに新しいデザインを取り入れています。さまざまな形状の家具たちが歴史ある古民家と融合することで、趣のある空間を作り出しました。

ランチは完全予約制で、週替わりメニューのみ。いずれもボリュームたっぷりです。素朴だけれど、ひと口食べると顔がほころぶおやつの数々も忘れずに。空間、料理、おやつ共に、築100年であることを忘れるほど、今の時代にフィットしたデザインとなっています。

THE LAMPS

住所函館市乃木町2-20
電話番号090-9084-9157
営業時間ランチタイム 11:00~14:00(予約制)、カフェタイム 11:00~16:00(予約不要)
定休日日・月・火曜
URL@lamps_coffee

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執筆スタッフ

立田栞那

旭川市の隣、東神楽町出身。高校時代まで旭川で過ごしました。道内で自然ガイドとして働いた後、2017年からスロウ編集部へ。旅行部門で、スロウなツアーの企画にも携わっています。森や山を歩くことが好きです。

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