函館の中に外をつなぐ。
箱バル不動産が携わった建物へ。
大三坂ビルヂング/nel
- 函館市
函館の西部地区といえば、歴史のある和洋折衷の建物が織り成す街並みが特徴的なエリア。そんな西部地区を拠点に、古き良き建物を「箱」と見立て、「箱と人を心で紡ぐ不動産のカタチ」をつくりだしてきたのが、〈箱バル不動産〉の蒲生(がもう)寛之さんです。蒲生さんが〈箱バル不動産〉として携わってきた建物のうち、旅行中に訪れることができるスポットを2件ご紹介します。
箱バル不動産・蒲生寛之さん
2013年に地元の函館へUターン。稼業である不動産業を営む傍ら、2015年に地域の仲間と共に〈箱バル不動産〉を立ち上げました。「箱(場所)と活用してくれる人のマッチング」を大切に、新しい視点で古き良き街並みを守り続けています。
〈大三坂ビルヂング〉
地域の新たな拠点を目指して。
大三坂の中腹に佇む〈大三坂ビルヂング〉は、築100年を超える仁寿生命ビルをリノベーションした建物。2017年、蒲生さんを中心とした当時の〈箱バル不動産〉のメンバーが協力し、複合商業施設としてオープンしました。
旧住居棟は宿として活用。クラウドファンディングで募ったサポーターや地元の若者など、たくさんの人の手を借りて、温もりあふれる空間づくりを実現しました。現在は一棟貸しのプライベートホテル〈SMALL TOWN HOSTEL〉として営業しています。
宿のほかにも、旧事務所棟はシェアオフィス、旧土蔵蔵はカフェと、元々の佇まいを活かした形でビル全体が活用されています。詳細は〈大三坂ビルヂング〉のWebサイトからご確認ください。
大三坂ビルヂング
住所 | 函館市末広町18-25 |
電話番号 | 0138-83-6691 |
営業時間 | ※営業時間、定休日は店舗によって異なります。 |
URL | https://daisanzaka-bldg.jimdosite.com/ |
〈nel〉
コーヒーやワインが飲めるデザイン事務所。
デザイナーの藤井拓さんと妻の法子さんが二人三脚で営む事務所兼カフェ。元々は東京で暮らしていた藤井さん夫妻ですが、2021年に法子さんの地元である函館へと移住。箱バル不動産を通して元寿司屋だったこの建物と巡り合い、スタイリッシュな空間へとリノベーション。拓さんが仕事をする事務所スペースにコーヒースタンドが併設され、週末などには法子さんが手がける料理とワインが楽しめるなど、新しいスタイルで活用されることとなりました。
「コーヒーを飲みにふらっと入ってきてもらう場所がつくれたら、そこを拠点に新しいつながりが生まれるのではないかと思いました」と、拓さんは話します。実際に、〈nel〉を通して地元の人との交流やデザインの相談につながる機会も増えているそうです。
デザイン業から飲食業へと仕事の幅が広がったことで、視野の広がりを感じているという拓さん。屋号の由来は、考えを「練る」という言葉から。この場所で練ったアイディアを、訪れる人との交流を通して膨らませながら。〈nel〉を起点に、函館の街にまた新たな楽しみが広がっていくでしょう。
nel(ネル)
住所 | 函館市大町3-16 |
電話番号 | ナシ |
営業時間 | 火・水・木曜10:30~17:00 金曜10:30~23:00 土曜 10:30~15:00 ※火~木曜はテイクアウトのみ ※臨時休業や営業時間の変動あり。詳細はInstagramから確認を。 |
定休日 | 日・月曜、祝日 |
@nel.hakodate |
大三坂ビルヂング/nel
執筆スタッフ
- 立田栞那
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旭川市の隣、東神楽町出身。高校時代まで旭川で過ごしました。道内で自然ガイドとして働いた後、2017年からスロウ編集部へ。旅行部門で、スロウなツアーの企画にも携わっています。森や山を歩くことが好きです。